「ようこそ、我等が舞台へ!新たな役者よ。貴方を歓迎しよう!」

「・・・ふむ、貴方は『観客』の役を御望みか。良いでしょう、そこの椅子にお掛けなさい。」

「何をすれば良いのか?はっはっは、これは異な事を。『観客』の役は『見ていること』。
 何が起ころうと、最期まで見ている事が観客の役目。
 貴方も役者であれば、その役、見事成し遂げてみる事ですな。」

「既に幕の開いている『第十の章』。
 台本も練習も無いが、幕は貴方の手で開かれてしまった。
 貴方も役者の一人なら、その役、見事成し遂げてみる事ですな。」

「私の出番はまだまだ先だが、いづれまたこの舞台に現れよう。
 その刻まで、ごきげんよう。」